私には、自らの生を物語として纏め上げたいという欲求があります。
私の両親は1998年の冬に相次いで自死しました。
母は鬱病に苦しみ自らの命を絶ち、その9日後に父は母の後を追って自死したのです。
突如として死に近づいた21歳の私は、目の前のありのままを記し、今しかない感情を写真に残そうとしました。
家族みんなで暮らしていた家に1人残された私は、生きてゆく意味を見失いそうになりながら、それでも生きていました。
両親はいなくても、父が遺した沢山の絵や、母が好んで撮った家族の記念写真が私に語りかけます。
幸福とは”愛する人と生きる事”
私は両親の愛に包まれながら、幸福の意味を教えてもらいました。
新しい家族ができて子を授かり、自らが親になったとき、私は自分の中で生きている両親と対話していることに気付いて驚きました。
私がわが子に向ける眼差しは、かつて両親が私を包んでいたものと重なります。
その時に私は今も両親と一緒にいて、守られているような幸福な気持になるのです。
愛を伝えることが出来れば、人は死なないのかもしれません。
私は愛する人と生き続けるために、両親から貰ったものを家族に伝えたいのです。
そして、本という形にして皆さんとも共有したいのです。
写真集「Picture of My Life」は、両親の相次ぐ自死という、作家自身の悲劇的な体験をとおして夫婦愛、家族愛の意味を問うた作品であり、自死した両親への感謝と強く生きる決意を込めたメッセージでもあります。
父が描いた絵、家族の記念写真、上田が撮影した写真とテキストで構成された本書は、2016年に限定21部で上田が制作した手製写真集「Picture of My Life」を元に制作されました。
21部の手製本は発売1ヶ月で完売しましたが、オリジナルの質感を再現した普及版として、イタリアの出版社CEIBAから500部の刊行となります。
”幸福とは愛する人と生きること”
上田は両親から貰った愛を世界中の人たちと共有することを願っています。
¥9,500
作家 | 上田順平 |
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サイズ | 248mm x 176 mm |
ページ数 | 140 pages |
制作部数 | 500部 |